あけまして、おめでとうございます。ふたつの山に登った元日日記。
ひとつめは、初日の出を見に高千穂峰(たかちほのみね)。
標高1,574m、日本二百名山のひとつ。神話の天照大神の孫のニニギノミコトが降り立ったとされている場所(古代好きには萌えポイントだね)で、随所に荘厳な感じ。コースタイム2時間の約半分で登りきってしまい、日の出まで一時間以上…汗冷えと爆風で非常に寒い山頂で待機することに。
「このままだと、冗談抜きでまずい」
命の危険を感じ、山頂をぐるぐる歩いたり、200mくらい下山してから登り返したり。みんななんで平気そうなん!?あ、私寒がりだった…
7時12分、雲海の果ての日傘からじわりじわりと初日の出がのぼる。みんながしん…と静まり返る、この雰囲気が好きだ。元気でここまで来れた喜びと感謝がわく。90度南の噴煙をあげる桜島は間違いなくハイライト。
山頂手前の火山の噴火口に沿ったカーブの道、「馬の背」を歩くのが特に楽しかった。片方には鹿児島県、逆サイド宮崎県それぞれの街が見える。眺望ラブ。前後にはハイカーたちのヘッドライト、火山岩はキラキラと輝き星の巡礼路のようだった。
もう一座、韓国岳を登る気持ちになってきてたため、ご来校のあとはすぐ降り始め、8:20ごろ下山。初詣もついでにできた。らっきー、でも
「たいへんな目に遭うとこだったな!」
とクリリンみたいな声が聞こえた気がした。
まだまだ歩けるコンディションだったので、この調子で行っちゃおう。こういう臨機応変なところは、山を始めて身についたかも。天候も体調も、ままならないことが多いけど、いい時は波に乗るのだ。
韓国岳は、韓国まで見えちゃうんじゃない?っていうのが名前の由来やとか。登山口の「大浪池登山口」までは高千穂峰の「高千穂河原」登山口から40分程度。けど霧島神宮の初詣渋滞に遭遇してプラス20分。それをいいことに(?)空腹で自分用お土産の柚子ロールケーキをまるまる一本食べてしまった。気付いたら1/5くらいになってて…コンビニには寄らないようにしてたけど、手元にあると、いかんねー。美味しかったけど…。
韓国岳は、大浪池を周回しながら歩けるコースをチョイス。大好きなターコイズブルー、その、深い碧。
ただ、大きいということは外周もある。半周で3.2kmやったかな。途中、飽きてしまって、山頂の遠さとぬかるみの歩きにくさに、「はぁーあ、」となる。
それでも、山頂に着いた時の達成感や、景色の美しさはやっぱり最高だった。山頂で温かい飲み物を作って飲む。大浪池の奥に桜島。来てよかった。
今回は久々に実験的に革の登山靴で行った。なんとなく。最近はトレイルランニング用のシューズ(両足で500g未満)が多く、がっちりホールド具合に安心しきったのか、なんと何もないところでバランスを崩して2回も転んでしまい、カメラも泥だらけ。どうやら、地面の状態を足が感知できず、身体ごと持っていかれたよう。泣きそう。身をもって学ぶ。こういう靴はアルプスの岩場を安心して歩くにはいいんやけどね。
私が行ったときは、めちゃ滑りやすい土で他の登山客も神経すり減らしてた。両足で1.5kgの登山靴は、下山時には足と靴の一体感も薄れ、おもりをつけてるよう。普段する、走ったり跳ねたり軽々と歩くことが難しかったもん。靴の重さやカタチが歩き方や心持ちまで変えてしまうんだなー。結論、この山にはやはりオーバースペック。いやはや、とはいえ、情けない。
下山後は前田温泉「カジロが湯」。行きたかった湯之谷温泉はやってなくて。お洗濯しだすおばあちゃんがいて、地元の人さえ困惑してた。ギョッとしつつも疲れを癒す。
お世話になった霧島市を離れる。鹿児島大神宮に行こうかなと近くに行ったけど、夕方でも渋滞がすごすぎて断念。行列隼人東インターから、きのうのおばちゃんのお家のある志布志へ。その頃、能登で地震があったことを知り、柏崎の知り合いとやりとりをする。とても怖かったらしく、車で高台に避難したよう。
夕闇のなか、志布志のお宅へ着くとなんと豪勢な食事を作って待っててくれた。得意料理の唐揚げに豚足、お鍋。めっちゃ美味しかった。涙 家の雰囲気もうちの実家みたいでほっとする。テレビは地震一色。原因はなんなの。ほんと容赦ないな。おばちゃんと、家族のこと、仕事のこと、いろんな話をする。「しんどいことを経験したっていうのは財産だよね、つらい人の気持ちがわかるから、言い方も気をつけれるじゃん」とおばちゃん。家を出ている息子さんのベッドまで貸していただき、数日ぶりの布団に安らぐ。翌日はおばちゃんが案内してくれるみたいだ。
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