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2023年12月30日(土)

吸収九州旅1日目。

朝、フェリーの中で目が覚める。フェリーでは思いのほか熟睡できたよう。雑魚寝の空間で、寝始めた頃に賑やかな夫婦が隣に来たけど、持参のエアマットと寝袋で快適に眠れた。船は3:30に別府に着いてて(八幡浜〜別府は3時間)船内休憩した人は、5:30にいっせいに船から出ないといけないのでいそいそと支度をする。

フェリーからまだ暗い別府の街へ放出される。温泉に行こうかこのまま山に登ろうか。温泉かな。近くの開いてる温泉にGoogleマップをセットし、走り始めた。500mくらい走って、「やっぱ、いきなり山に行きたいかも」とよぎり、決断。何となくいいイメージが湧いた。近くのコンビニで買い出しをしてから湯布岳へ向かった。

由布岳は別府港から30分ほどで登山口に行ける。
去年の6月、ミヤマキリシマ(ツツジの仲間の、山に一面咲くピンクの花)の季節に1人でテントで由布岳の奥の久住連山に行き、1泊したとき、富士山のような美しい山の姿に「これはなんだ!」と魅了された。それが由布岳。

登山口。九州最初にやること=「山」って決めてなかったので、パッキングするのに少し手間取ってしまった。靴下を家に忘れ、履いている分しかないことにも気づく。

まぁいっかとそのままで、近くで水を汲み、カメラと最低限の荷物だけ持ち、6:30まだ薄暗い中歩き始めた。四国にはない平原のような場所が山裾に広がっていて、土は黒で、「違う場所に来たんだなぁ」とさらに実感する。

登っていると、来た方面、東側から太陽が照り上がってくるのが赤い色でわかる。日の出の時間は7時過ぎ。森の中にいるかもしれない。それもいいなぁと、あまり大きな期待をせず歩みを進めていく。原っぱを抜け、森に入り、わかりやすい標識に感謝しながら歩む。

冬の森を進む。森をつづれおりに登っていくと、木々の間から赤い光が強く差し込んできて、日の出を知らせてくれた。誰かといたら、そしてその人が望めば、この瞬間に合わせて山頂をめざすとか、もっと早く出発していたんだろうけど、私はこのなりゆきのままでいいと思った。ゆるんでるね。

そうそう、登山口まではノーマルタイヤで行くことができて、登山中もアイゼンやチェーンスパイクの冬装備を しなくていいほどの状況だった。あったかいからね。

森をぬけ、視界が開けてくると、やっと1組のハイカーに出会う。「きれいな景色見えるから、もう少し先に行ってみて」と教えてくれた。愛媛から来たことを告げるととても喜んだ様子で、「あぁ山が好きなんだねぇ。今日はとってもいいよ」という言葉もくれた。少し先は、ほんとにめちゃくちゃ見晴らしが良くて、思わず「わぁー!」声が出た。東は一面の雲海。歩いてきた山なみはすっきりと見えて、正面の目の高さにはくじゅうの山々。右側、西の方を見るとまだ山影と霧に覆われた街が見えた。

「景色が美しすぎてなかなか進めない」といったコメントがYAMAPにあって、この人めちゃいいなぁと思ってたけど、私もそうだからなんだなって。

時間を気にせず、瞬間瞬間を、味わいたいよね〜とこれから旅する九州の大きさやを感じながら山頂へ向かう。下山中のおじさまと話し、装備を変えなくていいことを確認。

山頂では、360度広がった、壮大荘厳な景色。山頂から四国側を見ると、雲海の上に山なみが見えた。きっと石鎚や剣の山です。あぁ、四国のことをずっと考えていた1年だったなぁ。大好きな人がいっぱいいる四国を離れて何かを吸収(九州だけに)しようと、なんとなくだけど、私はここにいるんだと思う。九州に上陸して短時間でこの景色が見れるなんて私ってめちゃくちゃ歓迎されてるやん。

下山は、あっという間。時々走ったりしながら。停めてた無料の駐車場はすごく人気で(向かいに500円の有料駐車場)私の車の隣の狭いところにカップルが停めようとしていたので、ジェスチャーで「私出るからここに入りなよ」と伝え、意思疎通し、よっしゃ!って気持ちで由布岳を後にしました。

やっぱり自然の中にいるのが私好きだ。

のびのびして歩こうが、走ろうが、とどまろうが。歌ってもいいし、独り言でしゃべってもいいし、人がいたら話しかけたらいいし、1人になりたかったら1人でいることもできる。写真を撮りたかったら撮ればいいし、配信したかったらすればいい。目に焼き付けたかったらもちろんそれで。

音のない世界。

聞こえるのは、自分の足音と呼吸、ときどき、風。

吹く風や流れる雲、あたたかで時に刺すような太陽の熱、緯度と季節と共にある植物、姿を変える水。
厳しい環境のもと最適化されそこにある、土、岩、石。

自然のありように、私は素直に反応するのみ。
そんな最も尊敬する地球とのやりとりができるのが、心から嬉しい。

私が山を求めるのは、日々パソコンに向き合っているからというのも大きいと思う。よく毎週のように山に行くよね〜とか、山のためなら飛んでいくよね〜と言われるのも、自分の栄養のように自然を必要としているから。いつも山と温泉はセットだけど、九州はいい温泉多いから楽しみ。温泉も自然の贈り物だよね。

同じく去年立ち寄った民芸と雑貨のお店、「HAUS」に寄る。


店主の方は覚えてくださっていて、去年からの変化や地域の作家さんのこと、手ぬぐいのデザインやお勧めの場所について話をした。やはり地元の人に聞くのがいちばんだ。「四国へいらっしゃる時はぜひ連絡ください」と交わし、オススメされた温泉「束の間」へ向かう。温泉は素晴らしくて、その後向かう宮崎までの長い道中の前に行けてよかった。

友達と31日の夕方に会うことにしていたので、宮崎市あたりぐらいまで行こうと思っていた。現在地から2時間半。行きたかった高千穂を経由する。ナビ通りに進むと、大好きな長者原や、行きたかった阿蘇を通過できて、ウキウキした。高速ありなしで時間が変わらなかったので下道で行ったけど、途中すごく眠くて、めちゃめちゃ歌を歌いながらのドライブの時間になった。本当はpodcastとか、静かな音楽を聴きながらぼーっと行きたいところなのですが、寝たら死ぬぞな世界なのでね。最近はアクセルとブレーキを間違えたりとか、猛スピードのバックで歩行者をはねる事故とか…気をつけてもどうしようもないような事故が増えてますよね。この旅も結構気をつけながらドライブしています。
怖いよね。
みんなも気をつけて。気をつけててもどうしようもないこともあるけど、事故る確率は下げられるから。

高千穂。有名な渓谷のところはふーんて感じでした。あれれー。笑 神社とかいろいろ回れたらよかったのかも。疲れもあったからね。そこからの運転は雨とかもあって、結構疲労が溜まっちゃった。でも初めて走る宮崎の道、特に山は渓谷が高千穂だけじゃなくすごい深くて、そこにかかる大きな立派な橋がいくつもあったのがめっちゃ印象的でした。あと神話を大事にし、観光資源にもしてるところが多くて、神様がキャラクター化されたものをたくさん見ましたね。

そんなこんなでお腹が空いてたので、大量のカレーを注文してしまいお腹パンパンになって後悔しながらこの日は終わりへ。温泉が年末年始で営業時間変更になっていて、打ちひしがれながら初の車中泊をしたのでした。

どうかんがえてもやりすぎ